トイレリフォームにありがちな15種類の失敗事例
リフォームの優先順位はトップクラス
トイレは、家族全員が毎日使う場所です。
家族だけでなく、家に来たお客さんも頻繁に使う場所でもあります。
トイレが家全体に占める面積は小さいですが、生活の質、家の印象を決めるうえでは、最重要ポイントのひとつなんです。
実際、清潔感のあるトイレはそれだけで家とその家の持ち主に好印象を与えてくれます。
逆に、どんなにオシャレな家でも、トイレが汚かったら幻滅ですよね。
当然、リフォームの優先順位も高いんです。
万が一、トイレのリフォームに失敗して使いにくくなってしまったり、トラブルが頻発するようになれば、住む人の生活の質が下がるだけでなく、人を呼ぶこともできなくなります。
ところが現実には、トイレはリフォームの失敗やリフォーム後のトラブルも多い場所です。水分を扱う場所であり、間取りのしわ寄せを受けてスペースも狭くなりがちだからです。
そこでトイレリフォームに失敗しないために、チェックしておくべきポイントをまとめてみました。
トイレのサイズ
失敗したのはトイレの便器を大きくしてしまったためにトイレが狭くてとても窮屈になってしまったことです。しゃがむと方向転換ができないくらい狭くて掃除が大変になってしまいました。(30代女性)
トイレ自体が狭く小さい便器がいいなと思っていましたが、節水の方に頭がいってしまい、デザインが二の次になってしまいました。便器にも掃除のしやすい形や小さめの作りがあることを後から知り、狭いトイレには小さな便器を選定するべきでした。(40代男性)
トイレ選びで最初に考えるべきポイントは、ウォシュレットでもデザインでも節水でもなく、まずサイズです。
最近のものは総じてタンクが小さく奥行きは小さいのですが、お尻をのせる便座は大きいものもあります。
サイズの合わない服が不格好になってしまうように、スペースと設備とのバランスが悪ければ快適な空間になりません。
特にトイレは他の間取りのしわ寄せを受けて、もともとスペースが狭くなりがちなので、便器サイズの影響は大きいのです。
実際に自宅に設置した時は、カタログやメーカーのショールームで見る場合よりもかなり大きく感じますので、注意が必要ですね。
1:タンクを含めた全体の奥行き
2:便座部分の幅と奥行き
この2点について、あらかじめ現在の自宅のトイレのサイズを計っておきましょう。
配水管の位置
以前のトイレは古くて奥行きがありました。現在のものに交換するには配水管の変更が必要で、結局トイレの床まで削り大ががりな工事になりかなりの追加金がありました。(30代男性)
トイレは商品によって排水管の位置が異なります。特に年式の古い商品は前方にあるものが多く、新型の商品は後方にあることが多いので、トイレリフォームの際に、排水位置を変更する工事が必要になることがあります。
そして、排水位置の変更には床下工事が必要になるため、リフォーム工事が大がかりなものになってしまいます。
リフォーム用に、排水位置が調節できるタイプのトイレもあるので、必要に応じて検討してもよいでしょう。
スペースに余裕があれば、あえて排水位置をそのままにして、余分なスペースを収納に生かす手もありますね。
トイレットペーパーの扱い
トイレを交換したのですが、トイレットペーパーホルダーを交換し忘れたことです。業者さんも何も聞いてくれませんでしたし、便器にセットになっているものだと勘違いしていました。(30代女性)
リフォーム後はトイレットペーパーをとるのに、体を捻らないと手が届かないのが辛いです。(50代男性)
トイレに収納を作らなかったので予備の紙を洗面所に置いている。よく「誰か紙持ってきて!!!」と叫んでます。(40代男性)
トイレを交換する際に意外と忘れがちなのがトイレットペーパーホルダーです。
トイレ本体と比べると小さいですが、インテリア性に与える影響は大きいアイテムです。
ホルダーの位置も、便座に座ったときに自然と手が届く場所になっているかチェックしましょう。
特にトイレ本体のサイズが変更になったり、トイレの全面リフォームでは位置調整を念入りに行う必要があります。
予備のトイレットペーパーや生理用品などを収納したり、小さなゴミ箱を置くスペースなども考慮しておきましょう。
床材選び
昔ながらの家なので、見た目もなじむと思い、床と壁の一部をタイルに変えたのですが、タイルの目地部分の汚れが酷く、掃除も大変なので、工事が終わってから失敗したと反省しました。トイレは洋式に変わって良かったのですが、それに伴うトイレ周りのリフォームは大失敗です。でも、業者は凄く対応が良かったので、失敗は自分の勉強不足が原因かなと思っています。(40代女性)
トイレの床材として、耐水性の高いタイルを選ぶケースも多いですが、タイルはけっこう掃除が大変だったりします。
どのような床材を選ぶ場合であっても、デザインや雰囲気だけで選ぶと失敗することがあります。
耐水性、耐アンモニア性などの機能性、質感、デザイン性、そしてメンテナンス性を考えながら選ぶ必要があります。
例えばメンテナンス性の良いタイル(面積が広いものなど)もありますし、最近ではクッションフロアの質感やデザイン性も向上していますよ。
機能の見極め
予算の都合で温水洗浄つき便座にできなかったのは、あとあと後悔しています。ボーナスでたら自分で取り付けるつもりで、リフォーム時はやらなかったのですが、いろいろな人から話を聞くと、取り替えるのが結構面倒な様子で、一緒にすべきだったと思っています。(40代男性)
ウォシュレットにすればよいと思っていましたが、詳しいカタログを見ずにお任せしてしまった。水圧は強と弱しか選べず、洗浄位置も選べない。カタログをよく見て自分で選べばよかった。(50代女性)
ウォシュレット、節水、除菌など、トイレの機能は日々、進化しています。
当然、商品のグレードによって機能にも差があるので、「節水」「ウォシュレット」などのキーワードだけで決めたり、とにかく安く済ませようとすると、後から後悔してしまうことがあります。
逆に、機能が多すぎることで失敗するケースもあります。
自宅が全自動トイレなので、ついついそれに慣れてしまい、会社のトイレで流し忘れてしまったことがある。(20代女性)
壁スイッチで全て操作できる最新のトイレにしたら、高齢の母親がなかなか使い方を覚えられずに、中に入るわけにもいかないので外から説明したり、とても苦労しました。(40代女性)
特に高齢者の場合、使い方に慣れるまでに時間がかかります。必要以上に多機能すぎるのも考え物ですね。
「節水したい」
「ウォシュレットがほしい」
「暖房・温水機能がほしい」
「こういう機能が欲しい」というのはリフォームのきっかけとしては悪くありませんが、実査に商品を選ぶ際には、機能の詳細を比較したほうが良いでしょう。
例えば予算に合わせた商品、予算より少し上の商品、少し下の商品と、グレードが変わった場合の変化を比較してみると、値段による機能の違いがよく分かります。
価格帯が異なる商品とも比較することで、本当に必要な機能を見極めることができます。
内装デザイン
北欧デザインが好きなため、マリメッコのような赤い花柄の壁紙にしたら、狭い空間が余計に狭く感じて居心地が悪くなりました。(30代女性)
カフェのようなカッコいい感じにしたかったのですが全くカフェ風にはなりませんでした。ブルーの水玉で光沢のある壁紙にしたのですが、トイレに座ってみると目がチカチカして気分悪くなります。なので一点をみないように目を背けてます。(40代女性)
リフォームは高いお金を払うのですから、内装デザインにもこだわりたくなりますよね。
ところがインテリアコーディネートは想像以上に難しく、特に色柄ものは、空間とのバランスの取り方が難しいのです。
とはいえ自分の家なのですから、こだわりも大事です。
おすすめの方法としては、自分だけで壁紙などの色・柄を具体的に決めるのではなく、自分のイメージに近いトイレの写真を用意しておき、その写真を元にリフォーム会社と相談することですね。
バリアフリー
年齢を重ね、足腰が弱くなってきました親の為に、介護用の手すりを、両サイドの壁に取り付けるリフォームをしました。ところが親にはトイレが狭くなったと言われ、他の家族からも邪魔だと言われ、不評でした。(40代女性)
家族に高齢者がいる場合、バリアフリー対応は必須と言えます。
ただし、手すりなどを取り付けると、狭くなりますし、健常者にとっては逆に使いづらくなったりします。判断の難しいところですが、不要になったときに取り外しができるかどうかもチェックしておきましょう。
緊急性が低い場合であっても、トイレの全面リフォームの際に壁に下地を入れて壁を補強したり、段差の解消を行っておくなど、介護・バリアフリー化に対応できる拡張性を持たせておくと、後々の費用が少なくて済みます。
ドアの失敗
トイレのドアが内開きなので、何かあった時に不安。どうせならリフォーム時に外開きに変えればよかった。(50代男性)
外開きのドアにしたが、廊下が狭くドアを開けた時に廊下にいた人にぶつかってしまう。引き戸タイプにすればよかったと思った。(20代女性)
緊急時の安全性や介護のことを考えると、狭いスペースでの内開きドアは、完全に時代遅れと言わざるを得ません。
外開きのドアの場合も、ドアの向きひとつで使い勝手が全く変わります。
やはり現在であれば、引き戸がベストです。
引き戸は「ちゃんと閉まらない」「音がうるさい」というイメージがありますが、最近ではレールの素材なども進化してます。
予算や間取りとの兼ね合いはありますが、可能な限り「引き戸」に出来ないかどうかを検討しましょう。
タンクレストイレのデメリット
見た目重視で最新のタンクレストイレにしました。たしかにトイレはスタイリッシュなのですが、手洗いをつけたらトイレ内がとても狭くなってしまい、高いお金を出した価値があったかどうか疑問です。(40代男性)
タンクレストイレの場合、トイレそのものはコンパクトでも、別に手洗いを設ける必要があり、逆にスペースを圧迫するケースがあります。
掃除の手間も増えてしまいますね。
特に便器の前に立って用を足す男性の場合、手洗いが邪魔になることもあるので、男性・女性それぞれの視線で配置を考える必要があります。
忘れていけないのは、タンクレストイレは水を流すために電気が必要だということです。停電時には「バケツで水を流す」という悲劇が起こります。最先端から一気に原始時代に逆戻りですね(笑)。
あえてタンク付きのトイレを選ぶ選択肢もありますし、手洗いについては、間取りによっては洗面所で兼用するケースもあるようです。
掃除のしやすさ
トイレのインテリアにこだわり、石や流木を置いたり、和紙の壁紙を貼りました。でも掃除が面倒で、逆に友人を家に呼びにくくなってしまいました。(30代女性)
トイレは最も汚れやすく、毎日の掃除が必要な場所です。
しかも、お客様にも必ず「見られる」場所です。トイレが汚い家はそれだけで印象が悪くなってしまうので、不意の来客に備えて、掃除にも手を抜けないのです。
・床材の素材
・スペースの有無
・トイレの形状
・パイプの露出
・収納やインテリア
などをトータルで考える必要がありますが、掃除のしやすさを考えると「コンパクト」で「シンプルな形状」であるべきです。
トイレをリフォームする場合、機能を中心に考えがちですが、「掃除がしやすいかどうか」というポイントを重視して選ぶと後悔が少ないはずです。
その後の家事がとても楽になりますよ。
コンセントの有無
換気が悪く、消臭機を設置したいが、コンセントがないので設置できない。家族から文句を言われ、しかたないので消臭スプレーでごまかしている。(40代男性)
後からウォシュレットをつけたり、消臭機を置いたり、来客用に音楽を流したり・・・色々な設備を追加する場合に必ず必要になるのが電源、つまりコンセントです。
すぐに使う予定がなくても、トイレには必ず1カ所はコンセントを設置しておくようにしましょう。
コンセントをつける位置は、物を置くことが想定される位置です。
・収納や棚があればその近く
・スペースが空いている部分の近く
・壁側か入り口側なら壁側
これらのポイントを考慮しながらコンセント位置を決めましょう。
照明
トイレの天井照明が蛍光灯なのですが、明るすぎて落ち着きません。リフォーム時に照明も変えておくべきでした。(30代男性)
トイレが明るすぎると落ち着きませんよね。
リラックスできないと、出るものも出ませんから(笑)
一般的には明るすぎない、電球色の照明のほうが落ち着くことが多いです。
広さにもよりますが、個人的には40w相当の電球色のLED電球がおすすめですね。
蛍光灯は明るさの変更ができないので、天井照明は標準的な電球ソケットにしておいたほうが、後から好きなLED電球に変えるなど、調整がしやすいですよ。
修理とアフターサポート
知り合いだし、短期間で完了するとのことで、安心してしまい間違いないと思ったことが、失敗でした。トイレのリフォームをお願いし、きれいに全部取り換えしてもらいましたが、リフォーム後に何度も修理屋さんを呼ぶことになりました。リフォーム前のほうが暮らしやすく、少し高くても全てに立ち会って安心できるリフォーム会社を選ぶべきだと、思いました。(30代女性)
トイレの水回りのパッキンが古くなっていたが、リフォーム段階では業者も気づかなかったとのこと、結局後で自分で交換した。(40代男性)
排泄は生理現象です。
もしトイレが使えなくなれば、重大な生活・健康上の問題に発展することになります。
とはいえ、あらゆる住宅設備で故障は起こりうるので、万が一のサポート体制もあらかじめチェックしておきましょう。
業者・会社選びの際には、故障時の対応についても、しっかりと説明を受けるようにしてくださいね。
打ち合わせ不足
トイレの全面リフォームをしました。事前打ち合わせが少なかったので壁紙の色はチェックしてましたが、床と壁の間の色目や模様がその場での決定になってしまい、廊下との色の差が出てしまいました。(50代男性)
すべて業者にお任せしたのですが、節水トイレが希望だったのにそれほど節水機能がないトイレを設置されました。壁紙やデザインばかりに気合いを入れて選んで、肝心の商品選びをおろそかにしてしまって後悔ばかりです。(30代女性)
トイレリフォームに限らず、リフォームの失敗・トラブルの多くは打ち合わせ不足から起こります。
もちろんプロである業者側がトラブルにならないようにリードするのは当然ですが、施工主側でも可能な限り打ち合わせを行い、不明点を残さないように意識することが大切です。
とはいえ「何を確認したら良いのか?」というのは、工事の中身によって変わるので、簡単には分かりません。
・トイレの”どの部分”を工事するのか知っておく。
・工事を行う箇所について、どんな”材料・商品”が選べるのか聞いておく。
・工事内容の変更・決定を行う場合は施工主の同意を必要としておく。
・打ち合わせ内容はすべて書面に残しておく。
これらの点に注意しておくことで、かなりのトラブルを防ぐことができるはずです。
業者の質が悪かった
業者が悪かったのか、貼ったその年からトイレの壁紙が梅雨時期には浮いてくるんです。床のクロスは指定したものと違うクロスを貼られていましたし、信頼できる他の業者に依頼すれば良かったと後悔しました。(30代女性)
近所付き合いで近所の工務店に頼んだら、水漏れするようになった。2度来てもらっても直らず、直しに来た時の態度も悪かったし3度目はもう半分キレてたので今後の近所付き合いにも影響するから次は別の業者に来てもらったら、本当に酷い工事だったことが分かった。もう近所付き合いを優先するのはやめようと思った。(40代女性)
トイレという商品そのものは工業製品なので、価格相応の、決まった性能のものが手に入ります。
ところがリフォームとなると決まった形はありません。職人の仕事の質、さらに生活動線や将来性などを踏まえた提案力やサポート体制の有無によっても、最終的に出来上がるトイレルームとしての性能は全く変わってきます。
業者との問題が起こるケースとして多いのは、リフォームの値段だけで業者を選んでしまった場合や、知り合いだから、という理由で安易に業者を選んでしまった場合に多いようです。
大手会社であっても、発注元と施工会社が別になることによるトラブルもあり、必ず安心とは言い切れません。
・会社としての信頼度と実績
・打ち合わせや見積もりの際の対応
・サポート体制が確立していること
・見積もりが適性な価格であること
こういった点を「自分の目」で確認することが大切です。
時には「本当にこの業者で良いのか」冷静になって考えることも必要ですよ。
まずはトイレリフォームの相場を知ることが大切
トイレリフォームで失敗しないためには正しい業者を選ぶことが大切です。そのためには、トイレリフォームの相場(適性価格)をチェックしておくことが必須です。
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ぜひ一度、活用してみてくださいね。
まとめ:トイレは”おもてなし”
ただ便器があって排泄をするのがトイレではありません。
トイレで本を読む人もいるように、自分ひとりだけのプライバシーが確保され、リラックスした時間が過ごせる場所がトイレです。
さらに「トイレは小さな応接室」とも言われるように、おもてなしの場でもあります。
良い会社はトイレがきれいだと言われますし、トイレが汚い家だと、それだけでそこに住む人の印象が悪くなります。
トイレはそこに生活する人の『気遣い』を映し出すからです。
やみくもにお金をかけなくても、清潔感があり、使いやすく、リラックスできる空間は作れるはずです。
そのために大切なのは、やはり『気遣い』です。
高い意識を持って、トイレリフォームに取り組みましょう!!