お風呂・浴室リフォームの見積もりを上手に比較するための17のポイント
お風呂のリフォームは高額なだけに、しっかり見積もりを比較することが大切です。同じ工事内容でも、業者選びによって数十万円の差が生じることは珍しくないからです。
ただし、お風呂リフォームの見積もり比較はけっして難しくはありません。
特にユニットバス(システムバス)へのリフォームでは、工事内容はある程度決まっているので、ポイントをおさえて準備をしたうえで見積もりをとることで、かなり正確に見積もりを比較することができます。
しっかり比較して、間違いのないリフォーム業者選びをしましょう!
1. 見積もり前にやっておくこと
1-1. 浴室の広さを測る
1-2. ユニットバス/在来工法の希望を決める
1-3. ショールームに行って浴室とバスタブに入ってみる
1-4. 家族全員の意見を聞いておく
1-5. 20年後の年齢を想定しておく
1-6. 減税・補助金を自治体に確認する
1-7. マンション管理会社に問い合わせる
2. 見積もり比較のポイント
2-8. できるだけ条件を揃えてを見積もりを依頼する
2-9. 相見積もりであることを伝える
2-10. 予算は正直に伝える
2-11. 要望はメモにまとめて渡す
2-12. 見積もり書の項目と工事内容を確認する
2-13. 追加工事の可能性を確認する
2-14. おすすめプランを聞いてみる
2-15. 保証制度を確認する
2-16. 施工例を見せてもらう
2-17. 3~5社から見積もりをとる
見積もり前にやっておくこと
浴室の広さを測る
できる限り具体的な見積もりをとるために、まず浴室の広さを測っておきましょう。
ユニットバスなら規格が決まっています。
1216サイズ・・・短辺1200mm/長辺1600mm
1616サイズ・・・短辺1600mm/長辺1600mm
というように、室内の広さを測れば規格がわかるようになっています。
在来工法の場合はバスタブと室内の広さを測っておきましょう。既製品のバスタブの場合、長辺が1200mm/1300mm・・・1500mm/1600mmと100mm(10cm)刻みのことが多いです。お湯が入る部分(内径)ではなく、バスタブの縁から縁まで(外径)を測ります。
基本的には、現在の浴室のサイズを基準にリフォームプランを決めていくことになります。
ユニットバス/在来工法の希望を決める
ユニットバスのメリットは、まず気密性とメンテナンス性に優れていて、品質も一定だということ。今はユニットバスが人気なので、デザインや機能面の選択肢も豊富にあります。
ただし、在来工法からユニットバスに変更する場合、浴室が少し狭くなる可能性が高いです。
在来工法は、バスタブや床などのパーツを自由に組み合わせられますが、職人の技術により出来上がりに差が出やすく、費用や工期も長くなりがちです。
現在のお風呂がユニットバスであればリフォームはユニットバスの交換ということになるでしょう。もし現在のお風呂がユニットバスではなく、在来工法で作られている場合、従来どおり在来工法で作り直したいのか、ユニットバスを導入したいのか、まずは希望を決めておきましょう。
ショールームに行って浴室とバスタブに入ってみる
浴室リフォームを考え出したら、できればショールームに足を運び、実際にユニットバスやバスタブに入ってみましょう。
よく「足を伸ばせるバスタブ」と言われますが、180cmの人と150cmの人では必要なサイズは全く違いますし、バスタブの形状によっても使い勝手が変わります。
在来工法からユニットバスに変更する場合、浴室全体にやや窮屈さを感じることも多いので、リフォーム前に何度も体験して、納得しておくことが大切です。
家族全員の意見を聞いておく
お風呂は家族全員が使うものなので、家族の意見をしっかり聞くことが特に重要です。
これがキッチンリフォームであれば、メイン使用者(多くは奥様)の意見を中心に進めればよいのですが、お風呂の場合、家族全員がメイン使用者です。
よくあるケースとしては、ご主人様がジャグジーなどをつけて、奥様からは「掃除が面倒くさい」、子ども達からは「逆に使いにくい」と不満が出るケースです。
使わない機能はただ無駄なだけでなく、多くの場合メンテナンス性の低下などをもたらし、かえって邪魔になります。特に「使う人」と「掃除する人」が別の場合、両方の意見を入れておかないと、何十年も不満が続くことになりかねません。
たんに了承をとるだけでなく「どういうお風呂がいいか」、ゼロベースで希望を聞くようにしましょう。
20年後の年齢を想定しておく
浴室リフォーム時に必ず意識しておきたいのがバリアフリーです。
お風呂は20年ほど使い続ける可能性が高く、当たり前ですが、20年後は自分も家族も20歳歳をとっているのです。現在50歳の人でも20年後は70歳になり、確実に足腰は弱くなっていますし、介護が必要な可能性も十分にあります。
脱衣所/浴室間の段差の解消、バスタブの高さ/深さ、大人2人が入れるスペースの確保などについてはリフォームと同時にバリアフリー化しておくことがベターです。
減税・補助金を自治体に確認する
浴室リフォームについては、バリアフリー減税の対象になる可能性があります。また、自治体によっては独自に補助金制度があるところもあります。
あらかじめ、市役所などに問い合わせて、対象になりそうな補助金があるかどうか、確認しておきましょう。
マンション管理会社に問い合わせる
マンションの場合、リフォームできる範囲・内容について、管理規約等で決まっているはずです。
また、建物(部屋)の竣工図などの図面も最終的に必要になるので、「建物の構造が分かるような図面がほしい」と相談しておきましょう。
見積もり比較のポイント
できるだけ条件を揃えてを見積もりを依頼する
見積もりを比較するためには条件を揃えることが大切です。
ある程度リフォームのイメージを作ったうえで、各業者に対して同じ条件で見積もりを依頼しましょう。
もしユニットバスのリフォームであれば、ユニットバスのメーカー・型番も指定できればかなり細かく比較ができます。その場合、特別なオプションなどはつけず、標準的な仕様でよいかと思います。
在来工法の場合も、バスタブの型番と希望する浴室の広さくらいは(とりあえず)決めておきたいですね。
複数の業者から見積もりをとる目的は、何よりも業者を比較して絞り込むことなので、見積もりの条件は標準的なほうが判断しやすいのです。
相見積もりであることを伝える
複数のリフォーム会社に見積もりを依頼する場合、最初から相見積もりであることも伝えてしまってOKです。リフォームでも服でも車でも「他の商品」と比べるのは当たり前で、その中で消費者に選んでもらえる商品を提供するのがプロの仕事です。
むしろ相見積もりだと伝えることには多くのメリットがあります。
まず、断るときに断りやすくなります。
さらに他社の提案についての意見を聞くことができます。たとえば「値段は安いけどなんとなく心配」な場合、他のリフォーム業者の意見を聞いてしまえばよいのです。
A社に対して「B社からは90万円でできると言われたんだけど・・」と聞いてみれば「○○工事が必要だから、普通その値段ではできないはず」などの回答をもらうことができます。
相見積もりだと伝えておくことで、浴室リフォームの専門家のアドバイスが無料でもらえるということです。
予算は正直に伝える
相見積もりの場合、予算も正直に伝えてしまいましょう。
他社との競争があるので、いわゆる「ふっかけられる」ようなことはなく、予算内でその業者にできるベストの提案をしてくれるはずです。
たとえば、特定の商品が割安で仕入れられる場合などはグレードを変えずに上手に予算内に収めてくれたり、どうにか予算内で希望に近い内容を実現する努力をしてくれます。
リフォーム会社にはそれぞれ強みがあり、低価格帯には強いけど高価格帯には弱かったあり、その逆もあります。予算金額によって選ぶべき業者も変わってくる可能性があるのです。
相見積もりにしても予算にしても、駆け引きをしようとせず、率直に伝えた方が気持ちよくリフォームを進められますよ。
要望はメモにまとめて渡す
「足を伸ばせるお風呂にしたい」
「冬でも寒くないお風呂にしたい」
「汚れにくく掃除しやすいのがいい」
どんなお風呂にしたいかという要望は、メモなどに箇条書きでまとめておき、各業者に同じものを渡すようにしましょう。
口頭で伝えると、その時の伝え方や会話の流れによって内容に差が出てしまうので、文章化して伝えることが大切です。
見積もりの比較だけでなく、具体的なリフォームプランをまとめていく際にも要望の一覧は役立ちますよ。
見積もり書の項目と工事内容を確認する
在来工法のお風呂をユニットバスにリフォームする場合、少なくとも次のような項目があるかどうかチェックしましょう。
1: 搬入にかかる費用(搬入費・養生費等)
2: 古いお風呂の解体にかかる費用(解体工事費等)
3: 古いお風呂の処分・廃棄にかかる費用(拠出処分費等)
4: ユニットバスの商品代
5: ユニットバスの組み立てにかかる費用(組み立て費等)
6: ユニットバスを設置する床を整える費用(土間打工事費、コンクリート打工事費等
7:ドア関連の費用(ドア枠取り付け工事費等)
8:給排水にかかる費用(
9:電気工事費用
10:諸経費
見積もり書を見ただけで、どのような工事が行われるのか、おおよその内容と流れが分かるのが理想ですね。
逆に見積もり書の項目が少なすぎたり、工事内容が分かりにくい場合は、たとえ総額が安くても注意が必要です。工事内容が分からなければ見積もり書同士の比較ができませんし、見積もり書に含まれる範囲が分からなければ、追加工事の可能性についても判断しようがないからです。
追加工事の可能性を確認する
追加工事の可能性については、あらかじめ確認しておかないとトラブルの元になります。
たとえばお風呂を解体したら土台の腐食が進んでいたケースなど、実際に追加工事が必要かどうか、リフォームを進めてみないと判断できない場合は多くあります。
配管パイプの交換など「絶対ではないけどやったほうがいい」工事もあります。
そのような場合にも、あらかじめ追加工事の可能性について確認できていれば、お互いに後味の悪い思いをせずに済みます。
ベテランの業者なら、どんな追加工事が必要になりそうか、ある程度は経験から予想できます。あらかじめ追加工事の可能性と費用について確認しておきましょう。
おすすめプランを聞いてみる
一般的に、浴室リフォームの際にはお風呂だけではなく、脱衣所・洗面台についても一緒にリフォームしてしまうほうがおトクです。
「水廻りパック」など、セットでのリフォームに力をいれているところも多いです。
リフォームプランも複雑になるので何社も相見積もりをとって比較するのは難しいですが、2~3社程度までリフォーム会社を絞り込んだら、それぞれのおすすめプランについても質問してみるのが良いでしょう。
保証制度を確認する
浴室リフォームは100万円以上の高額になることも多いので、どのような保証制度が用意されているか、必ず確認するようにしましょう。
まず、リフォーム会社が『リフォーム瑕疵保険』に加入しているかどうか確認しましょう。瑕疵保険(かしほけん)は、万が一工事に不備があった場合、修理代金が無料になる保険です。
それ以外にも独自の保証制度を用意しているリフォーム会社も多いですが、その場合は「5年保証」などの年数だけでなく、無料修理か一部負担かなど、具体的な保証内容をしっかり確認しましょう。
施工例を見せてもらう
リフォーム会社の技術力を判断するための方法のひとつが施工例を見せてもらうことです。
ユニットバスだけの施工・交換であれば、施工例を見てもそれほど違いが分かりませんが、脱衣所などを含めたプランでは、かなり違いを感じることができるでしょう。内装や収納などはセンスも重要な部分です。自分と感性の合うリフォーム会社に頼みましょう。
3~5社から見積もりをとる
相見積もりの数については、最低3社、できれば5社くらいから見積もりをとるとよいとされています。
1社では予算範囲内かどうかしか分からず、2社ではどちらが安いかしか分かりません。でも、3社に見積もりをとれば、平均的な見積もり=見積もり相場が分かるからです。
手軽に相見積もりをとるためにはネットの見積もり比較サービスを利用するのがおすすめです。
注意点としては、見積もり比較サービスによっては色々なリフォーム会社から電話がかかってきてしまうこと。正直面倒くさいです。
↓『リノコ』であればリフォーム会社から電話がかかってきません。安心して見積もりをとることができますよ。