キッチンリフォームに失敗しないための18のチェックポイント
キッチンの使い方は人それぞれです。それだけにリフォームプランの自由度も高く、決めることがたくさんあります。
後から「やっぱりこうすればよかった」と後悔することがないように、リフォーム前に漏れなくチェックポイントを抑えておきましょう。
自分に合ったレイアウトを選ぶ
I型キッチンの特徴
シンク・作業台・コンロが一列に並んだキッチンの基本形です。昔ながらのスタイルとも言えますが、論理的に導線を設計しやすく、一方向に向いて集中しやすいことから、プロにもI型を好む人は多くいます。
じつはデザイン性が高いのもI型のポイントで、フラットな形状はモダンデザインと相性が良いです。調理器具・家電にこだわることでデザイン性の高いキッチンを作り上げることもできます。
L型キッチンの特徴
コーナーのスペースを使用することで、I型よりもスペースを有効活用することができます。マンションなどでは限られたスペースで十分な機能を満たすために、L型が採用されるケースが多いようです。
Ⅱ型キッチンの特徴
シンク・作業台・コンロを2列にして平行に並べたのがⅡ型キッチンです。設置面積に対して、もっとも孤立的に作業スペース・収納を作り出すことができます。
注意点としては、少し奥まった感じになるのでやや開放感にかけること、シンクやコンロを壁際・中央側のどちらに持っていくかで使い勝手が変わってくることです。
アイランド型キッチンの特徴
アイランド型はキッチンがテーブルのように独立したレイアウトです。
圧倒的な開放感と存在感があるので、アイランド型キッチンに憧れている人は多いのではないでしょうか。
よく言われるのは家族の顔を見ながら調理したり、テレビを見ながらキッチン作業ができるということですね。
ただし収納性やスペース効率は低めで、汚れや余計な物が目立つので片付けが大変という人もいます。
他のタイプと比べて使い勝手が大きく変わるだけに、キッチン単体で見るのではなく、調理器具や家電を全て並べてみても使いやすそうかどうか、しっかりシミュレーションしてから導入しましょう。
ガスとIHのメリット・デメリットを比較する
ガスコンロんもIHにも一長一短があるので、それぞれの特徴を理解したうえで、ライフスタイルに合っているほうを選びましょう。
1:複数同時使用・・・複数の高火力を同時に使うのはガスの方が得意です。IHだと電子レンジなども含めて電気容量を気にしながら使わないとブレーカーが落ちてしまいます。
2:調理器具の自由度・・・かなりの調理器具がIH対応になっていますが、土鍋や鉄器など、IH対応ではないものも多くあります。IH対応の調理器具に買い換えるのにもコストがかかります。また、IHは基本的に鍋振りができません。
3:火力管理・・・火力の管理しやすさはIHが上です。火力がデジタルに管理でき、タイマー機能も使えます。レシピを厳密に再現したい場合もコントロールしやすいですね。
4:立ち上がりの早さ・・・意外かもしれませんが、熱の立ち上がりの早さはIHのほうが上だとされます。ティファールなどの湯沸かしケトルをイメージすると分かりやすいですね。
5:メンテナンス性・・・掃除が楽なのは圧倒的にIHです。コンロを使わない時も補助作業スペースとして使いやすいです。メンテナンス性の高さはIHの最大のメリットだと思います。
6:安全性・・・ガスコンロの安全性も高まっていますが、やはり火を使わないIHのほうが安全性は高いと言えます。ただし、IHも使用後は天板が熱くなります。ガスのように火が見えないので、IHに慣れていない高齢者などにとっては逆に危険な可能性もあります。
7:初期コスト・・・ガスからIHに変更するためには、配線・分電盤の変更、ガス管の撤去などの工事が必要になります。そのためIH化するためには最初に10~20万円程度は費用がかかります。
8:ランニングコスト・・・ほぼ同等と言えますが、日中は電気代が高いので昼間の使用が多い場合はIHのほうがコストは高くなりがちです。ただしオール電化であればガスの基本使用料もいらず、IHのほうが低コストなこともあります。
ガスにもIHにもメリット・デメリットがあります。一般的には、安全性・メンテナンス性を重視するのであればIH、コストを重視するのであればガスということになるかと思います。
3つの作業導線をイメージする
一見立派なのに使いにくいと感じるキッチンは作業導線(動線)がよくないことが多いです。キッチンで行う作業は大まかに分けると3つあります。
1:調理・・・冷蔵庫からシンクや調理台への移動がスムーズかどうか。ゴミ箱が手の届く距離にあることも大切です。
2:配膳・・・調理した料理を食卓まで運びやすいかどうか。
3:片付け・・・調理器具や食器をスムーズに収納できるかどうか。
それぞれの作業をイメージしてみて、移動距離が離れすぎていたり、不自然な動きがないかどうかチェックしましょう。
ワークトップの高さを身長に合わせる
ワークトップの高さ(キッチンの高さ)が体型にあっていないと作業しにくかったり、腰痛の原因にもなります。
日本のキッチンの高さは基本的に3種類で、80cm、85cm、90cmの高さから選ぶことになります。
80cm・・・身長150cm前後の人にちょうど良い高さです。
85cm・・・身長160cm前後の人にちょうど良い高さです。もっとも一般的な高さです。
90cm・・・身長170cm前後の人にちょうど良い高さです。
複数の家族が料理をする場合は誰に合わせるか迷うところですが、基本的にはメインで料理をする人に合わせるのが良いです。ただ、150cmの人が90cmのキッチンを使うのはちょっと大変なので、家族の身長が大きく異なる場合は平均的な85cmタイプにしておくほうが良いかもしれません。
ステンレスと大理石の比較
ほとんどのシステムキッチンでは、天板の素材はステンレスか大理石か選べることが多いです。
グレードとしては大理石のほうが高く、ステンレスに比べて細かい傷が目立ちにくく、掃除もしやすい特徴があります。
ただし硬い物をぶつけても割れにくいのはステンレスです。
扉のカラーと素材
キッチン扉(収納)の素材は主にメラミン化粧板ですが、贅沢に無垢材を使ったタイプもあります。ただ、手入れが楽なのはメラミン化粧板です。
一部のシステムキッチンでは収納部もすべてステンレスのものもあり、見えない部分も含めて永く清潔に使うことができます。業務用ライクな雰囲気も魅力ですね。
キッチン扉のカラーはインテリアとの調和を考える必要がありますが、特に調理家電とマッチする色を選びましょう。木目もしくはホワイトとレッドが定番で、最近はブラック系も人気です。
定番色であればあまり問題になりませんが、グリーン・イエローなど少し変わった系統だと、調理家電・インテリアによってはチグハグな印象になってしまいます。
オーダーメイドキッチンという選択肢もある
キッチンは住宅設備の中でも、使う人によって求める機能が全く異なる特殊な設備です。
家族構成、生活パターン、料理の系統、デザインあらゆる条件を考えると、既存のシステムキッチンでは自分の理想を実現できないことは珍しくありません。
今、オーダーメイドのキッチンもかなり人気があります。
既製品でもラインによってはトップの素材や扉素材だけでなく、たとえば開き戸を引き出しに変更できるなど、セミオーダー感覚の豊富なオプションが用意されていることが多いですが、形状やコンセプトなどに限界があるのも事実。
同じ機能・グレードで比較すると既製品よりも割高にはなりますが、インテリアや料理の仕方にこだわりがあり「ぴったり」を求めているのであれば、オーダーメイドも検討してみましょう。
コンセントの数と位置
調理家電を使う上で、必ず必要になるのがコンセントです。
延長コードやタコ足配線は引っ掛けたり火事の原因にもなるので、コンセントの数と位置には余裕を持っておきたいところです。
特にキッチンが独立したアイランド型の場合、調理台で家電を使う時、壁から延長コードで電源をとるのは壁付け型よりも難しいので、十分なコンセントがあるか、必ず確認しておきたいですね。
シンク・調理台・コンロのスペース配分
設置スペースに余裕がない場合、シンク・調理台・コンロのどれを重視するかは難しい選択になります。
一番狭くて困ることが多いのは調理台だと言われますが、最新のキッチンは拡張オプションも充実しています。
最近の傾向としては、シンクを大きめに作り、シンクにピッタリはまる補助調理台がオプションで用意されていることが多いです。
他にも、コンロの口数が足りない時は卓上IHを使ったり高機能レンジで代替することもできるので、普段2口しか使わないのに無理に3口コンロを入れる必要はないかもしれません。
すべてが理想通りにはなかなかいかないので、まず最低限のスペースは確保しておいて、次にオプション等で拡張できそうかを考えてみましょう。
高機能レンジフードの設置
キッチンの収納や壁がベタついてしまうのは、調理中の細かい油分が水蒸気にのって広がってしまうからです。そして、部屋に広がった油汚れを取り除くのはかなり困難です。
油汚れの飛散を防ぐために、高機能レンジフードはぜひ設置したい設備です。
どうしてもサイズは大きくなりますが、美しいデザインのレンジフードも多いですよ。
ゴミ箱の設置場所を確保する
キッチンの隠れた主役とも言えるのがゴミ箱です。利用頻度でいえば、冷蔵庫並みによく使うのではないでしょうか。
ところが、家庭によってゴミの出方は全然違いますし、自治体によって分別方法も違います。そのため、他のキッチン設備のようにシステム化されていませんし、明確なスタンダードもありません。リフォームプランから抜け落ちてしまいがちなのがゴミ箱(ゴミ箱用スペース)なのです。
もしゴミが捨てにくかったり、ゴミ箱が通行の邪魔になると、それだけでキッチンの使い心地は悪くなってしまいます。
最低限、45ℓサイズのゴミ箱を複数おけるスペースを確保しておきましょう。
吊り戸棚は本当に必要か
吊り戸棚は高い場所にあって使いにくい収納です。そのため、最近ではあえて吊り戸棚を設けないプランも珍しくありません。
吊り戸棚なしのプランであれば、それだけ安くなりますし、空間敵にもスッキリ仕上げることができます。
他の収納スペースにもよりますが、本当に吊り戸棚が必要かどうか、どのような用途に使う予定なのか、一度考えてみましょう。
利便性の高い引き出し収納
キッチン収納を考える時、積極的に導入したいのが引き出しタイプの収納です。
従来の扉タイプの収納に比べて奥まで使えて出し入れもしやすいため、見た目は同じでも収納力は大幅にアップしますよ。
ビルドイン食洗機
「あると便利!」と言われるキッチン設備の代表が食洗機ではないでしょうか。
特にビルドイン型はキッチンリフォームのタイミングでぜひ検討したい設備です。
便利な人には超便利な食洗ですが、その貢献度は食器の多さに比例するので、家族が少なく使う食器の数も少ない家庭の場合、宝の持ち腐れになっているケースも少なからず存在します。
もちろん使う機会が多ければ、かけた費用の何倍も時短効果が期待できるはずです。
ビルドイン浄水器
浄水器の水を料理に使っている人は多いはずです。それならリフォーム時に浄水器もビルドインにすることもできます。
一般的な据え置き型の浄水器より少しだけ割高ですが、ワークトップもシンクもすっきり使うことができるようになります。
ビルドイン浄水器は他のハイグレード設備と違い、現在浄水器を使っている人ならかなり確実に使い心地の改善が見込めるのもポイントが高いです。
図面を用意しておく
キッチンリフォームを検討するとき、早めに準備しておきたいのが図面(建築図面や設備図)です。
キッチンリフォーム工事にはキッチンの設置工事だけでなく、電気工事、ガス・給排水設備、空調工事など、様々な工事が必要にため、図面は必ず必要になります。
また、自分でレイアウトを検討したり、リフォーム会社との打ち合わせをする上でも、図面があったほうが具体的なイメージを作りやすいのです。
自宅にない場合は、建築会社やマンション管理会社に問い合わせてみましょう。
マンション管理規約の確認
自宅マンションのリフォームの場合、マンションによっては電気の容量が決まっていたり、配管設備、構造によってリフォーム内容に制限が出ることがあります。リフォーム工事についてもルールがあるはずです。
早い段階で管理会社に問い合わせて管理規約等を確認しておきましょう。
耐用年数からリフォームのタイミングを考える
キッチンの耐用年数は10~15年程度だとされます。
意外と短い気もしますが、キッチンは様々な設備・器機の集まりなので、だいたい10年経過した頃から所々で不具合が生じてきます。
たとえばガスコンロ・IHクッキングヒーター、レンジフード、配水管などキッチンの主要設備の多くは耐用年数が10年~15年なのです。
ある程度は修理で対応できますが、不具合の頻度が上がってきたり、不便を感じることが多いようなら、思い切ってキッチン自体の交換を検討しても良いでしょう。
家族構成と生活スタイルの変化
キッチンの使い方は家族構成によって変化します。
たとえば食べ盛りの男の子2人を抱えた4人家族の時と、子供達が独立した後では、作る食事の内容も、家事の忙しさも全く変わってくるでしょう。
未来のことを確実に予測することは不可能ですが、ある程度家族構成の変化に対応できるプランにしておいたほうが、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔せずに済みます。
おすすめは10年後くらいまでの家族構成の変化を予想したうえで、その時々のキッチンの使い方を想像してみることですね。
見積もりは必ず複数とる
リフォーム前に相見積もり(複数業者からの見積もり)をとるのはもはや当たり前ですよね。
相見積もりでは最低でも3社から見積もりをとることがおすすめです。おおよその相場感を理解することができ、高すぎる業者はもちろん、安すぎる(手抜き)業者を選んでしまうリスクも減らすことができます。
さらに、キッチンリフォームではリフォームプランナーとの相性も重要です。
キッチンリフォームは、おそらくリフォームの中でももっともプランの自由度が高い場所です。限られた予算内で満足度の高いプランを提案することはリフォームプランナーの腕の見せ所でもあるのです。自分と相性の良いプランナーに出会うことができれば、予算の大小に関わらず、きっと満足のいくリフォームうができるでしょう。
手軽に相見積もりをとるためにはネットの見積もり比較サービスを利用するのがおすすめです。
注意点としては、見積もり比較サービスによっては色々なリフォーム会社から電話がかかってきてしまうこと。正直面倒くさいです。
↓『リノコ』であればリフォーム会社から電話がかかってきません。安心して見積もりをとることができますよ。