お風呂・浴室リフォームに失敗しないための15のチェックポイント
浴室リフォームで大切なことは、家族全員が、ずっと快適に使えるお風呂にすることです。
そのためには、快適性、メンテナンス性、バリアフリーを含めた安全性を十分に満たす必要があります。
満足度の高い浴室リフォームを行なうために検討・確認したいポイントを具体的にまとめました。
在来工法→ユニットバスも選択肢に入れる
お風呂をリフォームするうえで、最初に決める必要があるのが、ユニットバス(システムバス)にするか、従来のお風呂(在来工法)にするか、ということです。
特に現在のお風呂が在来工法で作られている場合は、そのまま在来工法でリフォームするよりも、まるごとユニットバスに入れ替えたほうが良いケースも多いです。
新築では完全にユニットバスが主流になっていて、メーカー各社もユニットバスに力を入れています。
在来工法の場合は、浴槽・床・壁などを別々に施工するため、自由度が高い反面、手間や費用が多くかかります。また、ユニットバスに比べると気密性やメンテナンス性は劣ります。
ユニットバスは、浴室そのものがカプセルのような構造になっているので、気密性が高く掃除も楽です。また、職人の腕への依存度が低く施工品質が安定しやすい点も安心度が高いです。
現在のお風呂が在来工法で作られている場合、最新のユニットバスを導入することも選択肢に入れて検討しましょう。
最優先事項はメンテナンス性
浴室リフォームの満足度を高めるために、何よりも重要なのがメンテナンス性です。
浴室は湿気が高いのでカビなどが発生しやすい反面、いざお風呂掃除となると重労働だからです。狭い空間・スベる床など、事故の危険度も高い場所です。
特にユニットバスではなく在来工法を選択する場合は、高い窓や隙間など、掃除がしにくい場所がないかどうか、入念に確認することが大切です。ユニットバス・在来工法問わず、汚れがつきにくい・カビにくい素材を取り入れることも検討してみましょう。
メンテナンス性が高くなると、リフォームの満足感は大幅にアップします。しかも掃除をするたびに「リフォームしてよかった」としみじみ感じることができます。
逆に、見た目がゴージャズはお風呂でも、メンテナンス性が悪いと不満を感じやすく。特に普段掃除をする立場の人からは「リフォーム前のほうがよかった」と不評が出やすくなります。
洗い場=作業スペースの広さは大切
「広くて大きなお風呂」というと、どうしても浴槽の広さばかりに注目してしまいます。
たしかに脚を伸ばせる浴槽はリラックスできますが、毎日の使い勝手を考えると、じつは浴槽と同じかそれ以上に重要なのが洗い場です。
あくまで浴槽は体を温める場所で、体を洗う場所は洗い場だからです。
たとえばイスを置けるスペースがあるだけで、毎日体を洗うのはずっと楽になります。
介護はもちろん、子育てやペットの飼育を考えると、理想的には2人で入っても狭くない空間が欲しいところですね。
断熱性・暖房機能でヒートショック対策
「浴室リフォームは冬にやるべき」という人もいます。
お風呂が一番使いづらくなるのは冬場です。夏場にリフォームすると、ついつい断熱性や暖房に意識が向きづらく、冬になってから後悔しやすいのです。
浴室や脱衣所は湿気が多いので、どうしても気密性を高める必要があり、室内の熱が届きません。
寒い脱衣所・浴室は、単に寒いだけでなく、ヒートショック※のリスクを高めてしまいます。
寒い浴室で急に体が冷えて血圧が急上昇⇒湯船に入って急に暖まって急降下することで意識を失ってしまうリスクもあるのです。
恐ろしいことに年間に2万人近くがお風呂場で亡くなっており、多くのはヒートショックが原因だと言われています。
理想は浴室暖房ですが、少なくとも浴室周辺の壁には断熱材をしっかり入れることで、外の冷気が伝わらないようにする工夫は取り入れたいところです。窓をつける場合は2重窓・断熱ガラスにするなど、暖まりやすく冷えにくい浴室にしましょう。
特に暖かい時期にリフォームする場合は、冬場の寒さを想像しながらプランを決めることが大切です。
窓だけでは換気は不十分
湿気が抜けにくい浴室はカビやヌメリが発生しやすいだけでなく、浴室から漏れた湿気が建物の構造部分を痛める原因にもなります。
日常のメンテナンス性を高めるためにも、お風呂や家そのものを長持ちさせるためにも、浴室の換気はとても大切なのです。
少し昔まではお風呂や脱衣所にに窓をつけるのが一般的でしたが、近年では換気扇や浴室乾燥機を使用するのが一般的です。
夏場などの湿気が多い時期は窓だけでは湿気は抜けきらず、冬場は寒いので窓は閉め切ってしまうことが多いですよね。
防犯上も窓は開けにくい、窓をつけると気密性が大きく下がるなど、とにかく窓には問題点が多いからです。
浴室リフォームの際には、最低でも換気扇、できれば浴室乾燥機をつけることを検討しましょう。
リフォーム中の入浴手段を決めておく
浴室リフォームを考えるとき、意外と見落としがちなのが、リフォーム中の入浴をどうするのか、ということです。
ユニットバスの入れ替えだけでも1~2日かかりますし、工事内容によっては1週間以上自宅のお風呂に入れない可能性もあります。
毎日当たり前に使えていたお風呂が使えなくなるので、確実に生活に不便が出ます。
自宅の近くに24時間営業の銭湯などがあれば良いのですが、自宅のお風呂が使えないばっかりにホテル暮らしをすることになれば、リフォームに関連する費用は一気に膨らんでしまいます。
具体的なリフォーム内容・時期・期間を決める前に、必ず代替の入浴手段を確認しておきましょう。
マンション管理規約を確認しておく
自宅マンションのリフォームの場合、忘れてはならないのがマンションの管理規約を確認することです。
リフォーム内容そのものだけでなく、工事の時間帯なども決まっていることが多いです。また、リフォーム工事が決まったら管理会社から周辺住民にお知らせをする必要もありますよね。
勝手にリフォームを進めると、後でトラブルの原因になってしまうので、正式にリフォーム契約を済ませる前に、必ず規約を確認したり、管理会社に問い合わせるようにしましょう。
内開きのドアは変更しよう
浴室にドアがついている場合、基本的にドアは内開きのはずです。
内開きのドアだと浴室の中で倒れた時に外から開けることができません。特に浴室内はケガ・急性疾患ともにリスクの高い場所なので、緊急時にも対応できるように折り戸にすることも検討しましょう。
また、バリアフリーのために浴室と脱衣所の段差をなくす場合は、浴室から脱衣所に水が漏れやすくなるので、脱衣所側の排水を考える必要も出てきます。
タオル掛けは事故につながりやすい
意外と事故につながりやすいのがタオル掛けです。
タオル掛けは手でつかみやすい形状なので、タオル掛けをつかんだら壁から外れてしまい、そのまま転倒・大ケガをしてしまうようなことがあります。
タオル掛け自体は小さなアイテムなので、自分で買って取り付けることもできますし、吸盤タイプのものなどもあります。でも、安全性を考えるとあまりおすすめできません。
壁の耐久性を確認したうえで、タオルではなく人の重さにもある程度は耐えられるように取り付けましょう。
水栓金具の位置は入念に決める
蛇口などの水栓金具は、デザインも大切ですが、何よりも取り付け位置が重要です。
不意に体をぶつけてしまわないように、死角にならない場所や洗い場の正面にとりつけることです。
写真だけで決めずに、モデルルームなどで浴槽に入ったり、実際の入浴場面をシミュレーションしながら、自分が使いやすい配置を考えてみましょう。
浴槽の高さとスロープの有無
バリアフリーな浴室を実現するための重要なポイントが、浴槽の高さです。
縁に高さのある浴槽は、またぐのも大変ですし、掃除も大変です。一方で縁を低くして浴槽の底を下げると、今度は浴槽に入るときバランスを崩しやすくなります。
健康な大人であれば平均的な浴槽であればまず問題ありませんが、家族の足腰に不安がある場合、浴槽の造には細心の注意が必要です。
たとえば浴槽に体をもたれかけるスロープ(斜めの部分)をつけることで、浴槽の段差を低く抑えつつ、しっかりお湯に体がつかることができます。
ただし、スロープをつけるためには比較的大きな浴槽サイズが必要になったりします。
将来の家族構成も視野に入れて、無理のない範囲でバリアフリー度を高めましょう。
リフォームのタイミングを逃さない
一般に浴室の寿命は15年~20年程度といわれています。
パッキンや床材などは経年劣化を避けることができませんし、硬い材質でも目に見えない細かい傷が増えれば汚れがつきやすくなります。
配管等も劣化しますし、水漏れや湿気によって、最悪の場合はシロアリ等の温床になっている場合もあります。
・浴槽や浴室の壁にヒビがある
・以前より排水が悪い
・掃除をしてもカビがとれない、すぐカビが出る
・脱衣所の床に浮きや変色がある
これらの問題点があれば、早めのリフォームを検討したほうがよいでしょう。
悪い部分はきっちりリフォームする
実際に浴室のリフォームを行うときには、浴室だけでなく、土台や周辺設備などのリフォームも同時に行ったほうがよいケースがあります。
特に配管などは消耗品なので、10年以上使っていればかなり悪くなっています。配管を交換するためにはバスタブをどかす必要があるので、ある程度老朽化していれば、一度にリフォームしてしまうほうがよいのです。
下手に予算を絞ってリフォーム範囲を限定した結果、またすぐにリフォームが必要になっては本末転倒です。
ある程度の追加工事は想定したうえで、余裕をもって予算を組むようにしましょう。
リフォーム減税と補助金の確認
浴室リフォームはバリアフリー減税や自治体の補助金の対象になる可能性があります。
バリアフリー減税については
1:自分の年齢が50歳以上
2:同居の家族が65歳以上もしくは要介護・要支援・障がい者のいずれか
のどちらかの条件であれば、適応対象になる可能性があります。
それ以外にもリフォーム補助金がもらえることもあるので、必ず自治体の担当部署に問い合わせて、もらいそこねのないようにしましょう。
納得できるまで見積もりをとる
リフォームの前に相見積もりをとるのはもはや常識と言えます。
相見積もりが大切なのは、単にリフォーム費用を抑えるためだけではありません。納得いくまで比較して業者を決めることで、「他の業者がよかった」「もっと安くできたかもしれない」という後悔を防ぐことができるからです。
いくつかの業者とプランを比較することで、浴室リフォームの相場が理解でき、単に安ければいいわけでもないということも分かるようになります。
具体的には、最低3社、できれば5社くらいから相見積もりをとり、十分に納得できてからリフォームを実行しましょう。
手軽に相見積もりをとるためにはネットの見積もり比較サービスを利用するのがおすすめです。
注意点としては、見積もり比較サービスによっては色々なリフォーム会社から電話がかかってきてしまうこと。正直面倒くさいです。
↓『リノコ』であればリフォーム会社から電話がかかってきません。安心して見積もりをとることができますよ。